2009年06月22日

絵本徒然草(下) 橋本治著

いや、面白い。
兼好法師って、本当に鎌倉時代の人??

現代の人じゃないの??って感じ、ますます強まります。
 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第六十二段・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

延政門院 いときなく おはしましける 時、院へ まゐる 人に 御事つて とて 申させ 給ひける 御歌。

  (延政門院のご幼少でおわしました時、御所へ参上する人間におことづけとして申し上げられた御歌ー)
 
 ふたつ文字 牛の角文字 すぐな文字
  ゆがみ文字とぞ 君は覚ゆる

  (「ふたつの字 牛の角の字 まっすぐ字 まがった字ってね 君を思うの」)

 
恋しく思ひまゐらせ給ふとなり。
 
  (「恋しくお慕いいたします」ってこったわな)

                   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

註釈がなくては、読めない。
“延政門院”というのは、帝のお嬢様のお名前で、この方がご幼少の頃に父上の帝は既にご譲位あって “後嵯峨上皇”として、院の御所に住まっておられた。その父上の許に行く人間に、まだお小さかった延政門院は、おことづての和歌を託された。
 「ふたつの字」というのは何か?「二」はひらがなの「こ」に見える。
 「牛の角の字」は、牛の頭の角2本、ちょっとまるい。これはひらがなの「い」。
 タテにまっすぐ線を引いて字だと思えば、ひらがなの「し」。
 そのまっすぐ字のまがった字は「く」。
 
「こ」「い」「し」「く」、君を思うの。・・・つまり、「お父さま好きよ」という和歌。
 
 
 
 
 
 
 
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第百十六段・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
寺院の号(な)、さらぬよろづの物にも名をつくる事、昔の人は少しも求めず、ただありのままに
やすくつけけるなり。

  ( 寺院の号―その他全ての物でも、名前をつけることな。昔の人は少しも凝らずにただありのまま
   簡単につけたってことだわな。 )

このごろは深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。
 
  ( この頃はやたら考えて、教養をひけらかそうとしてるようにも見えるんだが、ちょいとかなわねェな。 ) 
 
人の名も目なれぬ文字をつかんとする、益なき事なり。 
 
  ( 人の名前でも、見なれぬ文字をつけようとするのは、意味のねェことよ。)

 
何事も珍しき事を求め異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。

  ( 何事も、変わったことを求め、異説を好むのはな、イッパシ頭の人間が必ず陥ることなんだとよ。)
 

                   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  
「 アホな親ほど、バカな名前を子供につけるな。 万葉仮名のヘンテコリンなのを使ってな、
“麻利亜”とかな、“紗也香”とかな。 “浪漫音巣喰”(ロマネスク)なんぞという、つまらん名前をつける食い物屋もあるわな。  略・・ 」
 
 
 
 
 
 
註釈が面白い。註釈がなかったらよくわからない。
うちには、勉強用の『徒然草、全訳』などという本が2冊もあるのだけれど、どちらも読もうという気になどならなかった。問題で行き詰ったときのお助け本だったワケで・・・

ところが、この徒然草は、註釈が読み応えがある。
なかなか重い本だった・・・というわけで、D君に早いところ「下巻」も貸さなくては・・・
 
 
 
 
 
 
 

 

Posted by Okada at 2009年06月22日 17:31
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