いや、面白い。
兼好法師って、本当に鎌倉時代の人??
現代の人じゃないの??って感じ、ますます強まります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第六十二段・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
延政門院 いときなく おはしましける 時、院へ まゐる 人に 御事つて とて 申させ 給ひける 御歌。
(延政門院のご幼少でおわしました時、御所へ参上する人間におことづけとして申し上げられた御歌ー)
ふたつ文字 牛の角文字 すぐな文字
ゆがみ文字とぞ 君は覚ゆる
(「ふたつの字 牛の角の字 まっすぐ字 まがった字ってね 君を思うの」)
恋しく思ひまゐらせ給ふとなり。
(「恋しくお慕いいたします」ってこったわな)
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註釈がなくては、読めない。
“延政門院”というのは、帝のお嬢様のお名前で、この方がご幼少の頃に父上の帝は既にご譲位あって “後嵯峨上皇”として、院の御所に住まっておられた。その父上の許に行く人間に、まだお小さかった延政門院は、おことづての和歌を託された。
「ふたつの字」というのは何か?「二」はひらがなの「こ」に見える。
「牛の角の字」は、牛の頭の角2本、ちょっとまるい。これはひらがなの「い」。
タテにまっすぐ線を引いて字だと思えば、ひらがなの「し」。
そのまっすぐ字のまがった字は「く」。
「こ」「い」「し」「く」、君を思うの。・・・つまり、「お父さま好きよ」という和歌。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第百十六段・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
寺院の号(な)、さらぬよろづの物にも名をつくる事、昔の人は少しも求めず、ただありのままに
やすくつけけるなり。
( 寺院の号―その他全ての物でも、名前をつけることな。昔の人は少しも凝らずにただありのまま
簡単につけたってことだわな。 )
このごろは深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。
( この頃はやたら考えて、教養をひけらかそうとしてるようにも見えるんだが、ちょいとかなわねェな。 )
人の名も目なれぬ文字をつかんとする、益なき事なり。
( 人の名前でも、見なれぬ文字をつけようとするのは、意味のねェことよ。)
何事も珍しき事を求め異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。
( 何事も、変わったことを求め、異説を好むのはな、イッパシ頭の人間が必ず陥ることなんだとよ。)
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「 アホな親ほど、バカな名前を子供につけるな。 万葉仮名のヘンテコリンなのを使ってな、
“麻利亜”とかな、“紗也香”とかな。 “浪漫音巣喰”(ロマネスク)なんぞという、つまらん名前をつける食い物屋もあるわな。 略・・ 」
註釈が面白い。註釈がなかったらよくわからない。
うちには、勉強用の『徒然草、全訳』などという本が2冊もあるのだけれど、どちらも読もうという気になどならなかった。問題で行き詰ったときのお助け本だったワケで・・・
ところが、この徒然草は、註釈が読み応えがある。
なかなか重い本だった・・・というわけで、D君に早いところ「下巻」も貸さなくては・・・